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過ちは繰り返しませぬから

初めてこの地を訪れてから23年の歳月が経とうとしています。

当時17歳だった函館の片田舎に住む少年であった私が、広島に出逢い、今月1日に40歳の誕生日を迎えられたことをここ広島より感謝申し上げます。

午前6時。参拝。手を合わせる。

「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」

見慣れている言葉。今年は、メッセージの方から訴えかけているように目に飛び込んできた。

原爆投下から77年。今年ほどこの言葉の意味を深く考えるべき年はなかったのではないだろうか。

戦争を知る世代、原爆の恐ろしさを身をもって知る世代はほとんどいない。

どんどん忘れてゆく。あれほど戦争のない未来を、再び原爆で苦しむ人のない未来を願い、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて死んでいったのに、二度と繰り返さないと固く固く誓ったのに、もう揺らぎ始めている。

「平和な世界」とはいったいどんな世界なのだろうか。

戦争や原爆の体験を教えてくれる人がもう身近にはいない。親も先生も上司も先輩に聞いても教えてくれる人はいない。誰に聞いていいのかわからない。戦争のない世界とはどんな世界なのか。平和の意味がだんだんわからなくってきた。

自分で見つけていく。これからは自身で見出していかなければならない。そんな時は広島に来て少し歩いてみる。原爆投下前にあった町、人々の日常を想像してみる。目を閉じて、生きたくても生きられなかった人々と対話してみる。手記や体験記を読んでみる。

「原爆によって焼け爛れた私の顔。子どもたちは私の顔のようにさせたくない」「もう決して戦争や原爆で辛い思いをする人がないように」「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」

未来の我々に向けて、当時の人々が願った想いがわかってくる。

もう一度前を向く。

「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」

と、力強く一歩を踏みだろうとする自分がそこに立っている。戦争のない平和な世界を創るには並々並々ならぬ根気がいる。これからの世代に夢も見せられないような中途半端で可もなく不可もない人間で終わってはならない。

ついに40代になりました。これからもいけるところまでどこまでもいこう!そして変わらず飾らず多くを語らず応援してくれる方々ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。