やはり最近の政治活動で感じたことをしっかり書き残しておこうと思う。
地方出身である私の体験でもあるのだが、「仕事がなんらかの影響でうまくいかなくなると、外国人やマイノリティへの排斥を口にする」
こういった知人友人はいないだろうか。仕事や職場のことでもあるし、景気の影響もあるが、そういった生活や家計の面での困窮により不満が溜まると、突然不満をぶつける対象が外に向く。
経済の問題と価値の問題(と外交安全保障の問題)はそれぞれ違い、分けて考え対策すると書いたことがあるが、実は相互に関連している。経済の影響で価値(観)が変わることがある。もちろん子どもの頃からなんらかのマイノリティの当事者であったり、海外に住み自分がマイノリティになった経験がある、家族や友人にそういった人がおり、価値の問題を根本的に理解し哲学として持っている人は別である。
最近、活動をしていると、高い確率でワクチンを打たない方が良いと主張する人、マスクをしない方がいいと主張する人に声をかけられたり詰め寄られたり、そう主張する集団とバッティングしたりする。そういった人は、話の内容や、誤解を恐れずに言えば風体や態度からも共通点が多くみられる。
そもそも、ワクチンを打っていないので、感染対策は一般の人以上にしっかりやる。マスクは外せない。または、ワクチンを回数分しっかり打っているし基礎疾患もないのでノーマスクだ。これらは論理的には理解できる。しかし、ワクチン打たないし、ノーマスクだ。これはコロナの真っ只中で理解が難しい。しかし、こうした方々の背景や真意を理解しなければならない。
私はこの不満の原因がどこにあるかを知りたいと思っているが、それはまさに経済の問題にあるのでないかと考えている。
経済成長しない日本、コロナ以前から広がる格差、地方の衰退、そしてコロナにより、その不満が爆発した。それは、米国で2016年トランプブームを起こした中西部、いわゆるラストベストの人々や英国の2016年EU離脱いわゆるブレクジットの国民投票を決したと言われる外国人移民の排斥を主張する人々(多くは雇用を取られたと考える労働者)のようである。こういった人々は、二大政党制の国では意思表示のため、片方(または無党派)からもう一方の政党に支持が移る。かつて民主党支持だった労働者が、共和党トランプのアメリカファーストを支持する。労働党だった支持者が保守党の政策を支持する。そういった流れになる。経済の問題を、資本主義の制度そのものを疑うことも改善することもなく、そのまま放置しておくと必ず成長が止まるので、限られたパイの奪い合いになり、再分配しないままにすると経済格差は拡大する。資産を持っている者に富はさらに集中する。そうすると、持たざる者、かつては待っていた者の不満が価値の問題や外交安保の問題に飛び火し、右傾化する。それは、愛国心や国粋主義の思想の領域のものではなく、表面的な右傾化であるが、それを引き起こす。
では、この現象を日本に当てはめるとどうだろうか。完全な二大政党制ではない日本では、支持が別の政党に移るのだが、単純ではない。日本ファーストを掲げ、政府を批判する政党に支持が集まるのは当然だ。ただ、その支持者は元々はどういった人々で、どういった主張をし、どの政党の支持者であったのかはしっかり考え、原因を明確にした上で、的確な解決策を提示しなければならない。
高野はやと@江東区