◯高野はやと委員 高野です。よろしくお願いいたします。
まず、今回の決算、男女共同参画事業、質問に入る前に、先週、本会議にて答弁いただきました来年4月開始予定の江東区版パートナーシップ、そしてファミリーシップ制度の内容について、改めて審議検討中ではあると思いますが、お伺いします。また、こちらもですが、この制度、実現した場合、東京都では何番目となりますでしょうか。お願いします。
◯男女共同参画推進センター所長 現在審議中のため素案によるものとなりますけれども、本制度は、同性パートナーに限定しない制度でございまして、性別等に関わらず、LGBT等パートナーの2人や、婚姻していない事実婚のパートナーの2人も利用できるものでございます。さらに、パートナーシップにある2人に子や親がいる場合、ファミリーシップ宣誓もすることができるものです。
なお、本制度が実現した場合、東京都では初めての制度となります。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今答弁ありましたが、この一般質問の後、結構やじも飛んだり、そして、SNSでもメッセージいただいたり、ほか、私の事務所にも御意見いただきました。多くが、ほぼ全てがLGBTQに関する御意見でありました。ただ、今答弁いただいたように、都初のファミリーシップ制度、何もLGBTQに関するものだけではなくて、生きづらさを感じていると、現行の婚姻制度を利用できない全ての人にとって必要なパートナーシップ制度になるということでございまして、これを踏まえて、今回の令和4年度の決算について御質問させていただきます。というのも、今、男女共同参画センターが、このパートナーシップ制度、管轄、推進しております。そして、区民ひいては都民に、これから啓発、周知していくと。今まで以上に、この事業、プロモーションが非常に重要になってまいります。というのも、そもそもこのパートナーシップ制度の中身を知っている人が非常に少ないということもございますので、今回、来年度の予算にもつながるような、理解も深まるような質問を順にさせていただければと思います。
まず1つ目なんですけども、男女共同参画相談事業、こちらなんですけども、東京都のパートナーシップ宣誓制度、昨年11月1日より開始されてから、LGBT相談の電話相談会あったと思うんですけども、こちら変化ありましたでしょうか。
◯男女共同参画推進センター所長 LGBT等の電話相談の件数が、都の制度の開始後、どの程度影響があったかは、なかなか判別しがたいものでございますけれども、都の制度開始前は月に1件程度の相談件数が、開始後は3から5件程度に増加しております。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。昨年の11月1日よりスタートして、今年の8月末時点で882件、東京都の制度は申請があったということで、江東区53万人いますので、人口比でざっくり言うと30組前後の申請があると思います。そして、都の制度を利用する人というのは、そこの所属している自治体にそのパートナーシップ制度がない人が非常に多いと考えられます。といったところからまた推測すると、1回、ダイレクトに宣誓制度をいきなり申し込むんじゃなくて、電話相談からとか、また、パートナーを連れて一緒に相談に行きたいとか、徐々に徐々にその中身を知ることによって宣誓制度につながるということがあると思います。
そういったことも鑑みて、ちょっと電話相談の件数が少ないということは、裏返すと、周知が、まだ理解が浸透していないということもあると思うんですけども、今後、周知方法や媒体の掲載の強化、そういった相談件数を増やす施策ありますでしょうか、伺います。
◯男女共同参画推進センター所長 周知を強化、工夫することは、制度の認知度が上がりまして、相談もしやすくなる効果はあると認識しております。男女共同参画やLGBT等に関しましては、区民の認知度が低いことが課題の一つとなっていることもございます。
そこで、昨年度も駅張りのポスター掲示やパネル展、図書館での特設コーナー等、周知方法を工夫しております。また、今年度も集客力のある商業施設のパネル展を実施する予定でございます。
今後も、様々な工夫により効果のある周知に努めてまいりたいと思います。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今まずはLGBTの質問でございましたが、LGBTに限らないというか、このLGBTQ、性自認・性的指向の一番の他のマイノリティーというか違いは、目には見えないということでございます。必ず見た目では分からないので自己申告制を必要とするといったことがございます。
ですので、一番大事なのは周りの理解、周りがもうそういうことで悩まなくていいよ、とか、カミングアウトしてもそれを受け入れられるという深い理解が必要となると考えております。今、当事者じゃなくて、周りの理解を増やしていく。これ、専門用語、アライと言いますが、このアライを増やしていく方策、さらなる方策ありますでしょうか。
◯男女共同参画推進センター所長 まず、当センターでは、LGBT等の理解の促進のための講座、こちらを学習事業の一環として実施しております。また、若い世代への啓発が特に重要だと考えておりまして、その年代に合った教育が必要とも考えております。各年代の教育につきましては別の所管になるとは思いますけれども、担当所管と連携して、当センターでは、啓発事業として、中学校へのLGBT等の理解を含めた出前講座等を実施して、アライが少しでも増えるような周知活動に努めております。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今LGBTQの皆様、性的マイノリティーの方の周知理解ということを質問させていただきましたが、続いて、ここから非常にパートナーシップのもう一つの内容となりますが、異性同士のカップル、こちらの周知方法について伺います。
こちら、全く違う問題を抱えておりまして、特に事実婚について、特に夫婦どちらかの名字に、今の婚姻制度では必ず変更する必要があると。そうした人の気持ちを理解する必要があるかと思います。再度、2015年、厚生労働省の調査では96%が女性の方が名字を変えているということから、明らかな女性の生きづらさの問題ということが分かると思います。そして、結婚、離婚の際に名字を変えるという煩わしさと、そしてまたアイデンティティーの問題、これも、経験したことのない人にとっては全く分からない、または非常に理解しづらいということがございます。他の自治体でもいろいろ見ていると、この女性、半分の人が女性で、この室内にも僅かではありますが、いらっしゃると思います。そういった中で、非常に、他の自治体でも、女性の方の生きづらさを理解する、特にこの名字の問題の生きづらさを理解するという方法、難しいとは思うんですけども、どんな方法が考えられますでしょうか。
◯男女共同参画推進センター所長 夫婦別姓を希望する事実婚の方の生きづらさというのは、LGBT等の方などと同等のものであると認識しております。
しかし、同性婚がLGBT等の問題の一つであるように、事実婚は女性の生きづらさの一つなので、なかなか個別的にそれが挙げられることは少ないと思っております。
なお、当センターでの学習講座等でも、女性の生きづらさの一つの要因として、この事実婚等を取り上げていることはございます。しかしながら、事実婚は同性婚と同様に、根本的解決は国による法整備を待つ必要があると考えております。その中で、今回の江東区版パートナーシップ制度において事実婚も対象とすることで、周りの方への周知や理解の促進、当事者が少しでも暮らしやすい環境に寄与できるものと考えております。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今、名字を変える生きづらさの問題と、また、都議会でも、新聞の記事にございましたが、事実婚を選択しても生きづらい、そちらの問題もあるといった内容でございましたので、ぜひ周知徹底していただきたいと考えております。また、先行事例でいうと、横浜市とか国立市ではもう既に始まっているんですけども、同性と異性のカップルの申請率がもう30%、いや、50%にまで達していると。異性カップルが使っている、申請しているという事例もございまして、先行事例を見れば分かるとおり、それだけ多くの方がパートナーシップ制度を望んでいるということでもあるかと思います。
そしてもう一つが、これも質問をさせていただきましたが、高齢者の利用というのが増えてきていると聞いております。人生100年時代ということで、夫または妻に先立たれて1人になると。特に寿命の差もありますし、さらには現役のときは仕事一筋でばりばり働いたと。そしてリタイアする年齢になって初めて、独身、また孤独とか、そういったものに気づいたといった声もあったと聞いております。今さら籍は入れたくないが、こども、孫もいるということで、出会ったパートナーと一緒に仲よく暮らしたいと。独り暮らしの高齢者世帯への孤独・孤立対策とまでは言いませんが、そういった高齢者への周知方法はありますでしょうか、伺います。
◯男女共同参画推進センター所長 今回の制度については、婚姻と同等の関係のパートナーシップということを考えております。また、高齢者の方も当然そういう状況になっている方もいると思いますので、この制度を利用することは可能だと思います。
高齢者の方への周知ですけれども、当センターにおきましても、講座等において高齢者の参加は少なくない状況でございます。その他、当センターの登録団体に高齢者の会員が多く、男女共同参画の趣旨に沿った活動を行っております。また、登録団体の方につきましては、当センター主催の事業にも参加していただき、男女共同参画の意義の理解も深めてもらっております。
このような状況でありますので、高齢者の方へも広く周知できるものと考えております。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今、高齢者の利用の理解というお話をさせていただきましたが、最近できた制度ではない、昔から社会は多様であったけども、徐々に問題化していって、今、パートナーシップの問題というのは出てきているので、顕在化した価値観ということも捉えることができると思います。同性婚とか選択的夫婦別姓の問題は、アンケートを取るとどうしても、年代が進むにつれ、なかなか受け入れられないという人が非常に増えてまいります。そうした、周りの側の高齢者を含む区民への正しい知識、これについて、先ほど若い方の周知徹底が鍵になるみたいな答弁ございましたが、逆に言うと、高齢者のほうの理解というのはどういう方策がありますでしょうか、伺います。
◯男女共同参画推進センター所長 高齢者の方につきましては、先ほど答弁させていただきましたけども、当センターに関わりの方については、男女共同参画、当然このパートナーシップ制度という考え方についても、男女共同参画の一部ですので、そちらのほうに理解を深めてもらっておると思います。
また、その他なかなか当センターに関わりのない高齢者の方への周知ですけれども、こちらにつきましては、今後とも、本センターにおいて講座等で周知を深め、さらに関係所管と連携をしまして、周知方法等を工夫して理解を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。私の事務所にあった電話も、いろいろな思いがあったと思うんですけども、特におっしゃっているのが伝統的家族観、そういった言葉はよく耳にするんですけども、その伝統的家族観も変わってきているということと、世帯人数も減ってきているし、そういったことも社会の変化というのもぜひ、周りの方々への理解、周知徹底していただきたいと思います。
続いて、ファミリーシップ制度、これもパートナーシップ制度である程度知名度が出てきたと思うんですけども、いきなりファミリーシップ制度と出てきて何なんだといったことも思っていらっしゃる方いると思うんですけども、これも非常に重要な、特に「こどもまんなか江東区」では非常に重要な制度だと考えております。
特に、今ではLGBTQの方も、お子様がいるとか、事実婚の方もちろんお子様がいる家庭ございますし、そういう方々、片親にしか親権がないと。特に、反対側の人に養親、養子の権利を与えると、今まで親権があったほうから移ってしまうということもございまして、片親にしか親権がないために、病気にかかったときとか亡くなったときに非常に不安があるといったことがございます。
こうしたこどもの権利を守ることにつながる、こういったちょっと難しいところであるんですけども、この周知方法を教えてください。あわせて、今回のパートナーシップ制度、外国人も利用できると伺っておりますが、外国人の方々へのこのパートナーシップの適用及び周知方法について伺います。
◯男女共同参画推進センター所長 ファミリーシップ宣誓制度につきましては、パートナーのお子さん、また親御さんも含めて家族として証明する制度でございます。特にお子さんにつきましては、病院での対応や、その他の場面において、先ほど高野委員も御指摘なさったように、子の家族として認められる場面がなかなか少ないという形になります。その場合、この制度を利用していただくことによりまして、認められやすくなるものと考えてはおります。
また、法的効力はないですけれども、パートナーの一方の方がお亡くなりになった場合でも、希望によりファミリーシップ宣誓制度を継続できる制度とする予定でもございます。
これらのファミリーシップ宣誓制度に関する事項を制度開始時には丁寧に周知していくことで、こどもの権利を守ることの一助となると考えてはおります。
また、外国人に関する周知方法ですけれども、制度の周知につきましては、外国人、高齢者を含めて、まずは全ての方を対象に広く周知する予定ではございます。特に、その中で外国人の方につきましては、区報やホームページの外国版の利用をしていただくことを考えております。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今回、第1回審議会、8月の審議会の議事録を見せていただきました。読ませていただきましたが、非常に深い内容もされていて、専門家の方々が喧々諤々の議論をされているということで、それを踏まえて質問しておりますが、最後に、この周りの理解が非常に大事であると。ついては、その宣誓制度を得たことにより、例えばサービス利用が広がるとか、それを福利厚生として取り入れる企業、そういったことが増えることが、理解が深まることや周知につながると思いますが、今、考えられている中で、提携先の拡大とかサービス利用先、企業の拡大の方法、どんな話がされておりますでしょうか、伺います。
◯男女共同参画推進センター所長 まず、本区の行政サービスにつきましては、既に都の制度が開始したことにより、都の制度を活用して、20の区の行政サービスを利用できている状況でございます。
今後、この行政サービスにつきましても、各所管と連携して利用できる行政サービスについては定期的に更新していく予定ではございます。また、都の制度が開始されたことにより、多くの事業者もサービス利用に協力しており、今後も、東京都も含めて拡大も期待できるところでございます。
その中で、本区といたしましては、区の証明書等も東京都と同様の対応を事業者等にも受け入れられてもらうように、都と協定を締結する予定でおります。
なお、区内の医師会や不動産団体、その他特に中小企業団体の方へも、協力等を今後働きかけていく予定ではございます。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。
最後になりますが、今LGBTQも含め、生きづらさを感じている女性も含めて、見た目では分からないと言いましたが、よくLGBTQ、10人に1人いるとされているというデータがありますが、比較されるのでよく左利きというのがございます。私と区長も同じ左利きなんですが、私がこどもの頃は差別用語もありまして、ちょっと今インターネット入っているんで発言できないですけども、または、いろいろな生きづらさ、左利きの人いらっしゃると思うので、自動販売機とか改札とかお玉とか、そういったものから、カウンターで左でぶつかるとか、いろいろなことがあって差別されていた時代もあると思うんですけども、今個性として受け入れられていると。今後こういったこと、左利きのように立派な個性、そしてカミングアウトせずとも当たり前に受け入れられる社会を江東区からつくっていければと思いまして、要望いたしまして、質問を終わります。
ありがとうございます。