◯高野はやと委員 高野です。よろしくお願いいたします。私からは、障害児(者)通所支援施設管理運営事業のうち、特にこども発達センターについて伺います。
これは個人としても、そして会派としても要望を受けておりまして、親御様の悩みとして自分のこどもがもしかしたら障害を持っているかもしれないと、そう感じた時期にまず誰に相談したらよいかが分からないという声が多数届いております。そういった声に対応する支援策として、まずは保健相談所において母子保健対策としての乳幼児の健康診査、また、発達相談の実施や幼児の心の発達教室、保護者のグループ相談など様々な取組がありますが、多くのお子様がこども発達支援センターへの紹介、通所につながっていると聞いております。
こども発達支援センターですが、区内には塩浜と扇橋に2か所あります。令和4年度のデータを見ると、塩浜は定員44名に対し、277名今通っていると。扇橋が41名の定員に対し、284名と。どちらも定員に対し、約7倍の利用者になっております。
近年、診断基準の変更とか社会状況の変化、そして、発達障害というもの自体に対し、社会的認知が広がってきたこともあり、全国的に発達障害と診断されるこどもが増えております。ここ最近では15年ほどで10倍に増加していると。通所希望者も増えていると思います。親御様から現在は希望してもすぐに通えず待機しているという声もございます。
今、待機している児童の人数も含めて待機状況についてお伺いします。
◯障害者施策課長 こども発達センターについての御質問です。
今、高野委員のほうから御質問いただいたとおり、定員に対して非常に多くのこどもたちが在籍しているということで、例えば1週間に1回とか月に2回とか、そういった形で通う回数を調整させていただきながら、多くのお子さんに御利用いただいている施設になります。
待機状況につきましては、塩浜が約40名、扇橋については約70名、ここ3年間の推移を見てみますとほぼ横ばいという状況になってございます。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今、定員に対し、7倍の利用者がいて、かつ待機している人もいるということで、昨年度がコロナ真っただ中と考えると、職員の方も非常に御苦労されたと思います。
一方で、親御様から、今、回答いただきましたとおり、年々利用できる回数が減っているとか、または預かっていただく時間が短くなっていると、そういった声を多数いただいております。
特に元からいらっしゃった重度の知的障害を持つお子様の親御様は非常に困っておりまして、今、行き場がなくて近所の児童館に通っていると、そういった声もいただいております。
このような事態の解決のために、センターを思い切って増設すべきと考えますが、見解を伺います。
◯障害者施策課長 江東区では、今、高野委員から御指摘があったとおり、現在2か所、いわゆる福祉型児童発達支援センターという形で設置をしてございます。こちらの児童発達支援センターにつきましては、国の設置目標ということがございまして、この設置目標は現在達成している状況ですので、今の段階で江東区内での増設といった検討は行っていない状況です。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。センターは増設しないとなると、これからさらに発達障害を持つお子様が増えてくるかと思います。そして、保護者の利用ニーズも増えると同時に多様化してくると思うんですけれども、増設しないとなると、それ以外に対応策はございますでしょうか、伺います。
◯障害者施策課長 さきに御答弁させていただきました待機状況も踏まえまして、まず塩浜CoCoのほうの改修、それから扇橋CoCoの亀戸への移転、こちらに合わせて定員の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
また、より多くのお子さんに支援機会を提供していくことというのが重要だと考えてございまして、区の独自事業という形で行っている相談事業のほうにも力を入れて、相談事業の在籍児につきましては、令和4年度は令和2年度と比較いたしまして1.2倍以上という形で取り組ませていただいております。
また、保育所等訪問支援ですとか、それから地域の障害児通所支援施設、放課後児童健全育成事業などに対するアウトリーチ型の支援の実施、こういったことをやっていって、地域全体で発達障害児を支えて、早期発見、早期支援していくための体制の構築を検討してまいりたいと考えてございます。
以上です。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。増設とか移転はすぐにはできないかもしれませんが、移転するということで、それに併せて定員を拡大していくと。特に喫緊の課題ということで保護者から要望を受けておりますので、ぜひすぐに対応できる、そして、優先順位を上げていただければと思います。
特に加えてセンターで働く職員の待遇改善、そして、増員なども含めて、ぜひこどもまんなか江東区ということで進めていただければと思い、それを要望し、次の質問に移らせていただきます。
次に、母子家庭自立支援についてということで、私が当事者というか母子家庭で育っておりまして、かつ、今年の1月3日15時ぐらいに、私が隣の西友の前で立っていたときに、1月3日は正月なんですけれども、そのときに1人の女性がやってまいりまして、「高野さん、江東区って母子家庭に優しくないですね」と言われました。これが、私も母子家庭で育ったので、非常に記憶に残っているんですけれども、話を伺ってみると、真冬なのに薄着ということも気になったんですけれども、旦那のモラハラが原因で、そのときこどもを1人連れていたんですが、2人を連れて逃げて区に相談したが、母子寮に入所できず、その後にがんが発覚して、現在は近くのJKKの公共住宅を何とか見つけて住んでいると。今パートを2つ掛け持ちしているんですよといった女性の方がいらっしゃいました。
その後、私は昨日もいたので、西友前に四、五十回は立っているんですけれども、その方にだけはお会いしていないので、詳しい事情はまだ聞けていないんですけれども、そういったこと、私の経験とその方の話も含めて質問させていただきます。
なお、一時保護施設ということで、当然秘匿すべき情報が多くあると思いますが、できる限り御回答いただければと思います。
恥ずかしながらその1月3日まで私は母子寮という存在を知らず、その後調べたということもありますので、詳しくお伺いさせていただければと思います。
まず、江東区の母子支援施設の入所要件についてお伺いします。よろしくお願いします。
◯保護第一課長 それでは、区内における母子支援施設の入所要件についてお答えをいたします。
まず、この母子支援施設ですけれども、東京都の規定によりますと、福祉事務所の所管区域内における保護者か配偶者のない女子またはこれに準ずる事情にある女子にあって、その者の監護すべき児童の福祉に欠けるところがある場合において、その保護者から申込みがあったときには、その保護者及び子女を母子生活支援施設において保護しなければならないと定めております。
具体的な要件といたしましては、まず18歳未満のお子様がいる母子家庭、それから、離婚をされていない場合には離婚調停もしくは裁判中であること、また、生活上様々な問題をお抱えになられていて、お子様の養育が十分に行えないため、支援や保護を要する場合、それから、自立の意思がある場合、また、2年以内に自立の可能性がある場合などの要件を設定させていただきまして、最終的には入所判定会議において支援が必要であると認定された母子世帯について入居をお願いしておりますが、やはり施設ですのでこちらとしても様々な条件があります。ただ、その条件を御理解いただけない場合というのは、必要であっても入所に結びつかないというケースがあるのは事実でございます。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。これはちょっと詳しく伺いたいんですけれども、例えば、今、DVを受けた女性がこどもを連れて区に相談して、いろいろなケースがあると思うんですけれども、問合せから入居までの流れを教えていただけますでしょうか。
◯保護第一課長 それでは、施設の問合せから入居までの流れについて御説明をさせていただきます。
まず、御本人もしくは保健所であったり、こども家庭支援課等の関係機関のほうから入所についての御相談をお受けすることが多いです。御本人とお子様、そして、こちらで私どもの母子・父子自立支援員が面談を行いまして、入所希望があれば申込みの書類を提出していただきます。
ただ、面談の際に様々な要件等をお話しさせていただく場合に、その母子が施設への入所を希望しない場合であっても、区が必要であると判断をした場合には入所を勧めるということもございます。その後、母子の施設見学、それから、結核等があると入れませんので健診等を経まして、入所判定会議で入所要件に該当する場合には入所という形になります。
ただ、母子が特別な事情によって当該福祉事務所の所管区域外の母子施設に入所を希望される場合には、広域的な支援も含めて行っております。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今、大体分かりましたが、確認なんですけれども、条件には沿っているけれども様々な理由という、そこが曖昧なので、こちらから、江東区から断ることはあるんでしょうか、伺います。
◯保護第一課長 こちらからお断りすることは一切ございません。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。理解いたしました。
そして、こうした場合に、では、実際に内見すると思うんですけれども、内見して入居しないとか、条件を聞いて入居をやめようと思うところは、例えばどういうところが、理由がありますでしょうか。
◯保護第一課長 当初、相談の段階では自立の意思があるとはっきりとおっしゃっていたんですが、お話を重ねていくうちに自立の意思がない場合。それから、施設には様々なルールがあります。例えば、門限であったり、それから、当然支援員が定期的に室内に入りまして室内の状況を確認させていただいたり、きちんと金銭管理ができているかというようなことの細かい指導に入ります。また、秘匿施設となりますので、来訪者は基本的にお受けすることができません。そういったこちらの条件をお話しする場合に、やはり御本人様が例えば夜の仕事に就きたいというような強い御要望があったりしますと、実際に門限がありますので、そういった場合には御本人のほうからお断りをされるというケースはございます。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。それもクリアになりました。
次に、これもデータに出ているんですけれども、概説で、母子支援施設、住所は秘匿として、定員が30世帯入れるということでございますが、できれば今の入所世帯数と3年ぐらいの推移と、入所の滞在期間をお伺いできますでしょうか。
◯保護第一課長 それでは、入所者数の推移と、それから平均の滞在期間についてお答えをいたします。
直近3年間でございますと、令和2年度末に21世帯、令和3年度末が27世帯、令和4年度末16世帯でございました。また、入所期間は一応施設のルール上最長2年間としておりますけれども、この5年間の平均入所滞在期間は約1年7か月となっております。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今、21と27世帯と、直近では16世帯ということで、もちろんこれは自立支援施設なので、保護する方、母子が少ないにこしたことはないと、少ないというか、自立していただけるとか、入居数は少ないほうがいいとは思うんですけれども、53%ということで、もし希望している方が多くいるという場合もございますので、入所率が直近で53%と低い理由があればお伺いできますでしょうか。
◯保護第一課長 利用者の方がこの施設の入所に至る要因というのは、生活困難の様態というのは様々だと思います。暴力被害からの回復ですとか、生活基盤の安定や健康の維持、療育支援や親子関係の調整、自己肯定感の回復、また、お子さんの成長、発達の保障など、一人一人に沿った自立の姿があり、寄り添った支援が必要となります。
昨今、母子家庭に対する世間の理解というのも非常に、何というんですか、昔と違って理解が深まったというところもあり、様々な支援策というのも御自身で選べるような環境が整ってきていると思います。ただ、ひとり親に対する社会的理解の向上とか様々な関係機関の協力体制もある中で、母子支援施設を利用しなくても母子が地域で自立した生活をすることができているあかしの一つであるのではないかと思っております。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。徐々に1月3日の話がクリアになってまいりましたが、疑っているわけではないんですけれども、もし30世帯満床になる可能性もあると思いまして、今後でもその際にどうしても施設の入所を断らざるを得ないという場合が出てくると思います。そういった際に、何か別の代替案含め支援策というのはあるんでしょうか。
◯保護第一課長 例えば、江東区内の方でも近隣、特にお住まいになっているところとこちらの施設が近隣の場合というのはなかなかそこを利用することができないです。先ほども申し上げたとおり、こういった施設というのは区外にもまた都外にもございますので、そういう場合には、満床ですとか、区内の施設を御利用いただけない理由が個々にある場合につきましては、広域支援という形で他の所在地の施設のほうの御案内をさせていただいております。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。大体理解することができました。
通告していないんですけれども、父子支援施設、お父さんとお子様の支援施設というのはあるんでしょうか。
◯保護第一課長 父子支援施設については、現在江東区のほうではございません。
以上でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今、母子支援施設、私も母子家庭出身ということで、そういった一面的な問題の捉えをしている可能性もあったので質問させていただきましたが、理解いたしました。
今、国会では共同親権という議論がされております。DV被害者を守る制度や仕組みがセットになってはじめてなされるべき議論だと私は考えておりまして、この母子支援施設は本当に非常に重要で、DVで苦しむ方々の声をしっかり聞いた上で、これをぜひ政治や行政に反映させて、共同親権の話も慎重に議論することが大事だと私は考えております。
そういった観点からも、一人でも多くの母子、苦しみ悩む女性、お母様、お子様を救う事業にしていただきたいと要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。