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パートナーシップ制度を廃止したいのなら、同性婚を実現せよ

本日の自民党の区議の質疑について、しっかり自分の意見を書いておきたい。企画総務委員会。東京都のパートナーシップ宣誓制度の成立を受けて、江東区役所において、今までは婚姻関係にある配偶者がいる区職員のみに適用していた給与や休暇、育児休業、退職手当、旅費などの待遇や福利厚生が、同性パートナーがいる職員にも適用されることとなった。率直に喜ぶべきことと感じたのと同時に、当たり前に利用できる制度が今まで利用できていなかったことにもやるせなさを感じた。

ここで自民党の区議が、区職員が居住する自治体によってパートナーシップ制度の手続きが違うこと、パートナー関係の解消方法が曖昧なこと、区でパートナー関係であることの確認が曖昧であることを質問。要は「不正やごまかしにより福利厚生が利用され、区民の税金が流出する可能性」を問いただしてきた。「公金支出」という言葉を使って。この曖昧さが解消されないことを理由に、自民党会派だけが採決で反対した。これは、LGBTQの区職員ひいては、すべての性的マイノリティーの方々を深くひどく傷つける発言と捉えられても仕方がないが、これに対して、区議会という枠組みを超えて反論したい。

そもそも、パートナーシップ制度というのはなぜ必要なのか。なぜできたのか。それは現行の婚姻制度を利用したくてもできない人がいるからだ。

国に制度がないので、仕方なく自治体が先行して少しでも生きづらさを感じる人々に寄り添う意思表示としてできたのが、パートナーシップ制度である。2015年に渋谷区、そして世田谷区からはじまり全国に波及した。それは人々の切実な声の集まり、ボトムアップにより、手探りの中で手作りでできた制度と言ってよい。だから、自治体によって手続き方法が違うのである。

自治体によって手続き方法が違うのは、LGBTQの人々のせいではない。現行の婚姻制度である。もし、この国で、同性婚(および事実婚を選択する原因となっている選択的夫婦別姓)が実現すれば、パートナーシップ制度はほぼ不要となる。

では、同性婚を妨げているのは、いったい誰なのか?自分の胸に手を当てて考えて頂きたい。もちろん、江東区の問題を、国のせいにするのは区議会にとって責任転嫁になるかもしれない。ただ、私もあなたも議会人と同時に、政党人である。私とあなたは国政政党に所属している。与党と野党第1党である。そして、過去に都議選や区長選への挑戦経験がある区議であるからこそ、あえて言いたい。そもそも問題の本質はなんなのか。反対のための反対でも、うわっつらの議論ではなく根本的な問題はなんなのか。しっかり捉えるべき。

もう一度強調するが、手続きがあいまいだと主張するパートナーシップ制度を廃止する方法が1つだけある。同性婚を実現することだ。そうすれば、不正を疑われる職員もいなくなる。

ただ、法律婚による婚姻届であっても不正をする人は不正をするだろう。それとこれとは、まったく別次元の問題である。

高野はやと@江東区