◯高野はやと委員 よろしくお願いいたします。
ちょっと順番としてやりづらいんですけど、防災について、私も新住民として、新住民の目線も大事にして質疑を行いたいと思います。
昨年は、関東大震災から100年と。今年1月1日、能登半島地震が発生し、1月17日は阪神大震災から29年。そして、今月11日は東日本大震災から13年となっており、私も街頭に立つことが結構あるんですけども、区民の防災意識は非常に高まっていると感じております。こうした高まりを感じている今、災害は自助、共助が非常に大事だと言われておりますが、今は災害意識が高まっているのと、世論調査でも3年連続、防災対策してほしいと、そういった要望が1位となっておりまして、今はやはり公助、自治体の役割が厳しく見られている、そう感じております。
災害では、高齢者や障害者など避難が困難な方、また、デマやうわさなどの過去事例からマイノリティーの方が対象となるなど、弱い立場の人がより多く犠牲になるという事実から、誰一人取り残さない防災について、そして待ったなしの防災について、新会派として、その観点から本区の様々な取組をオープンにしていく、そうしたことも含め質疑させていただきます。
まず1つ目が、個別避難計画推進事業、この福祉専門職が個別避難計画の作成に参画と。これから伺いたいと思います。本事業を始めるに至った経緯をお伺いいたします。
◯防災課長 経緯のお尋ねでございますけれども、避難行動支援というのは様々な課題があるということで、これまで区としては認識してございました。
1つ目は、個別避難計画策定率でございますけども、現状だと4割を切っているという状況。2点目は、個別避難計画の策定をお願いしています本区の自主防災組織、災害協力隊の負担の問題。3点目は、災害協力体そもそもがなかったり、協力を得られない地域があるということで策定が進んでこなかったという実情がございます。
2点目は、国の方針といたしまして、令和3年5月にガイドラインが改定されまして、優先度の高い避難行動要支援者の計画策定を5年程度で作成すること。また、福祉専門職参画の重要性というのが示されてございます。これまで災害協力体に依存していたやり方自体に限界が来ているのかなというところで、国のガイドラインも踏まえまして、福祉専門職の活用を考えたところでございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。そもそも江東区の地域防災計画の下位プランとしてこの避難行動支援プランがありますが、江東区、自治体によって、要支援者というのは、いろいろ網というか、範囲が異なる、定義が異なるとされているんですけども、決定できると思うんですけども、江東区における避難行動要支援者は一体どのくらいいるのでしょうか、伺います。
◯防災課長 いわゆる障害者、介護度の重い方とかを抽出してございますけども、令和5年11月1日現在で、計画の対象者が2万5,033人となってございます。そのうち策定された方が9,267人ということで、策定率は37%。そういう状況でございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。となると、2万5,033引く9,267で、大体、1万5,000ぐらいがまだ未策定ということでございますが、本事業は対象となる人はどのような人でしょうか。そして、この選定基準と選定方法、そして、本予算が177万円ということで、ちょっと177万円は少ないと感じるんですけども、これ、何人計画は可能でしょうか、伺います。
◯防災課長 今回の対象者でございますけども、身体障害者手帳、肢体不自由、視覚・聴覚障害の1、2級の方及び愛の手帳1度、2度の方、障害者を限定してございます。その中で、かつ、浸水想定のあります地域にお住まいの低層階、浸水リスクのある方を対象としてございまして、積算上は237名となってございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。237名ということで、浸水地域とハザードマップ上は、城東エリアが多く該当すると思うんですけども、単純に3では割れないんですけども、数千人の方がそこの対象地域にいらっしゃるということだと思います。計画を見ると、かねがね5年程度で作成、かねがね5年程度で完了するということで、今4割として、まだかなり到達には遠いとは思いますが、5年程度で作成するとしたら、今後の計画及び数値目標、そして達成に必要な予算等、計画されておりましたら伺います。
◯防災課長 今後の方向性のお尋ねでございますけども、まず、来年度は障害者の中でも浸水リスクの高い方ということで、優先順位をつけてやらせていただいてございます。その後、地域を広げる、さらには非常にニーズの多い高齢者への展開というのを目指していきたいと考えてございますが、来年度、先行する実施の取組を踏まえて、そこで出た課題、また実施方法等の検証を行って、その次につなげていきたいと考えてございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。ちょっとこれ、5年で最初、初年度11月から始まるということですけども、237名ということで177万円の予算。先ほど基金とかそういう話もありましたので、今こそ待ったなしの防災ということで、それも活用して、積み増さず活用して、そこも行っていただきたい。そういうふうに要望したいと思います。
具体的に伺っていきますが、個別避難計画の作成、これは具体的にはどなたが行うのでしょうか、伺います。
◯防災課長 作成を依頼する予定をしてございますのは、区内の福祉サービス事業所等でございまして、相談支援員をはじめとした専門職の皆様は、ふだんから障害者の方々の状況を把握されてございますので、そういう事業者にお願いしたいと考えてございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。
次に、もう一つ伺っておきます。これ、237名なので、1件の値、単価を聞いておきます。お願いします。
◯防災課長 事業者にお支払いするのは、1件当たり7,000円と想定してございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。1件当たり7,000円と。今まで支払っていなかったけども、今年から7,000円支払うということで、非常に個別避難計画をつくるのはコストがかかるというか、かなり重いものだというのも伺っておりまして、それは、この新事業については評価したいと考えておりますが、どうしても、外注して、委託して行うと、7,000円という単価に見合った行動をするということで、名簿のチェックとか、また、労働集約になりがちで、今、防災課長からもありました、その方を担当するケアマネジャーが、一番、個別避難計画を作成するのがベストだとは思うんですけども、どうしても、そこ7,000円ということで、1人の人に集約したり、名簿の中身がおろそかになってしまう可能性もあると思うんですけども、その名簿のチェックや質の担保、そこの見解を伺います。
◯防災課長 7,000円に見合ったことができるかというお尋ねでございますけども、そもそもこの7,000円というのは、国のほうで地方交付税、特別区はもらってございませんけども、地方交付税7,000円の、1件当たりですね、交付。そういうような基準を採用してございまして、この金額で取り組まれているほかの自治体もございます。まさに来年度、試行的に始める中で事業者の意見等も踏まえながら、金額設定については今後、課題として捉えていきたいと考えてございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。今、柔軟に対応するという回答がありましたので、7,000円というのは1回やってみて、進捗が悪ければ上げたり、または、それに対して柔軟に対応するということで理解をいたしました。ぜひ、まだ個別避難計画を作成する人は多くいらっしゃいますので、スピードアップして、待ったなしの防災ということで、区民の方の防災意識が高まっているのと、不安も高まっておりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
次、水害時における垂直避難のために必要な民間マンションとの避難協定について伺います。
令和元年の台風19号でも経験したように、あのときはイオン南砂とか、アリオの屋上に人が避難していたというのをよく伺うところでありますが、今後も未曽有の災害が起きる時代ということで、現在、多くの民間団体と、食料とか様々な備蓄物資とか、そういう協力協定は締結していると思うんですけども、民間マンションとの避難協定、始まったばかりだとは思いますが、現在の状況とか実績について伺います。
◯防災課長 今、高野委員御指摘のとおり、今年度から始めたところでございまして、現在、複数の町会やマンションからお話はいただいているところでございます。年度内には住吉地区のマンション、また、その地元町会さんで1件、締結する予定でございまして、3月末には初ということで締結式の準備も進めているところでございます。
以上です。
◯高野はやと委員 それはどちらのエリアのマンションでしょうか。
◯防災課長 住吉の町会のマンションでございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。協定先のマンション、今、要支援者の避難とかありますように、水害の対象となっているところの多くが城東エリアに集中しているということもあるし、ゼロメートル地帯ということもあるので、ぜひ、城東エリアの民間マンションとの提携も考えていただきたいと。
特にこれ、ハザードマップで見ると、いろいろなマンションがあると思うんですけども、大体ハザードマップを見ると、ここの民間マンションと提携したいなというのが防災課さんとしてもあると思うんですけども、そういうところに、営業マン的発想なんですけども、そこにピンポイントで営業をかけていくとか、そこの町会・自治会と一緒になって、民間マンションを口説いていくと言ったら変ですけども、提携を促していくと。その際にどうしても何かしらのインセンティブとかメリットがなければ、あちらも組む理由がなかなか見いだせないと思うんですけども、そうしたピンポイントで営業していくとか提携していく、そうした戦略とか計画はございますでしょうか。
◯防災課長 まず、マンション側への働きかけというのは重要だと考えてございます。また、インセンティブにつきましては、この制度自体に、協定を締結した場合には、マンション側に区のほうからテントですとか、簡易トイレ等、選択式にはなりますけども、上限30万円分の資機材を提供いたしますということがインセンティブになって、今回の成約したところについても、それが一つ誘因効果があったと聞いているところでございます。営業といいますか、アプローチの仕方につきましては、まず、区とつながりのありますマンションの災害協力隊、城東地区にもたくさんございますので、その日頃のつながりを通じて、そこの地元町会さんとの連携とか、受入れについては区としても積極的に働きかけていきたいと考えてございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。前に、イオン南砂周りのマンションとか私も伺ったことがあるんですけど、結構セキュリティーが厳しくて、日中は管理人がいるんだけど、夜間だときついと。オートロックもあるので、そこは日中だったら提携してもいいと。そういう話も聞いておりますので、ぜひ部分的にも協定、柔軟に対応いただければと思います。また、UR、JKKとか、公共住宅と協定していることは重々承知しているので、ぜひ民間のマンション、特に高層マンション等で提携できるように頑張っていただきたいと思います。
続いて、簡単に、避難所生活を想定した訓練の実施ということで伺います。
能登半島地震で、東日本大震災もそうですけども、災害関連死とか、トイレの問題とか、様々な避難所に住んでみて、一時避難所、初めて分かることとか、そこで対策していなかったがために関連死が起きるということがございました。江東区でも総合防災訓練があり、様々な施設で避難訓練や、また、今年から避難所開設・運営訓練等、始まっておりますが、首都直下型地震を想定したこうした長期間の避難生活が強いられる場合の、避難訓練ならぬ避難所訓練も重要であると考えますが、こうした計画及び見解をお伺いいたします。
◯防災課長 まず、お尋ねのとおり、避難所においての様々な事態、ケースを想定した訓練というのは重要だと考えてございます。そうした中ではありますが、まず、区としては、避難所開設・運営といった初動の訓練、これまで十分にできていなかった部分を今年度から開始しているところでございます。避難所の開設の基本的な手順や資機材の使用方法など、基本的で実践的な内容を目的としてございます。御指摘の長期化に備えた内容など、応用編、応用的なメニューにつきましては、その後のステージとして取り入れていく必要があると考えてございます。
なお、災害協力隊や、来年度から始めます避難所運営サポーターを対象とした図上訓練を新たに開始する予定でございまして、その内容は工夫していきたいと考えてございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。皆様、御承知のように、東日本大震災、発生から3年で災害関連死した方々、66歳以上が2,841人ということで全体の88.9%。東北とか能登は寒い時期に、冬に起きたということもありますが、ぜひ、高齢者だけでも慣れるようにというか、運営できるように、訓練できるようにしていただきたいと思います。
次に、まだ重複していない質問で、罹災証明書の発行と迅速化について伺いたいと思います。
能登半島地震でも、マイナポータルから罹災証明書を発行できますとか、1.5次避難とか2次避難所のときに、わざわざ罹災証明書なしで受け入れられますと。罹災証明書あり、なし、でかなり強調していたと思うんですけども、どんなときでも、給付金とか支援を受ける際に必要なのがこの罹災証明書でございます。早急に必要になる場合が多いということで、本区でもこうした罹災証明書の発行の周知方法や場所、そういったものについてお伺いをいたします。
◯防災課長 罹災証明につきましては、災害時にはホームページ、SNS、区報等の様々な媒体を活用しまして行うこととしてございます。発行は本庁舎区民課、各出張所、豊洲特別出張所が行うこととしてございますが、実際の発行時期とか、会場については災害状況に応じてという対応になるかと思います。なお、罹災証明発行に当たってのデジタル化というところが区としても課題と認識してございまして、今後、取り組んでいく、そういう計画をしているところでございます。
◯高野はやと委員 今、ちょっとデジタル化というお話が出ましたが、罹災証明書、非常に難しいのが、申請はデジタルでできても、スマホで4点撮ってそれを送ってくださいねと。ただ、全壊、半壊とかの判定が非常に難しいということで、明らかに全壊していると写真で分かっていても、現地に行って確認する作業を一つ一つやる必要があるということで、申請のほうをデジタル化しても、発行までが迅速化できないということでございました。今、事前にお伺いしたところ、ここがクラウド化もまだできていないというふうに伺っておりますので、ぜひここも迅速化と、罹災証明書のところも御検討いただきたいと思います。
あと、能登半島地震と江東区でちょっと違うんですけども、江東区の場合、88.7%の人が集合住宅に住んでいるということで、能登半島の場合は、輪島市とかでも戸建てが多くて、今回、倒壊したということでありますが、被災者の生活再建支援法、これは国会でも議論されていて、300万から600万に上げるとか、江東区の場合、戸建ては確かに少ないんですけども、店舗を営んでいるいわゆる店舗運営、事業者の方が戸建てで、ある程度、年季の入ったではなくて、築年数の長い店舗を構えていると。ただ、それはシティプロモーションの名前もありますとおり、商店街というのは非常に江東区の大事な資産、魅力でございます。こうした際に、再建支援法の適用が住民だけになっておりまして、現在、店舗は対象外となっていると。どうしても江東区の場合は、そうした事業者、店舗運営の飲食店とか、様々な商売をされている方がいらっしゃると思いますが、江東区でこうした事業者への被災復興のための支援金等を支給する計画はございますでしょうか。
◯防災課長 お尋ねの点でございますけども、被災した中小企業への融資制度というものがございまして、1つ目は、日本政策金融公庫の災害復旧貸付というもの。2点目は、江東区中小企業融資の特別資金の制度というものがございます。
◯高野はやと委員 すぐ終わります。お昼過ぎましたので。
ありがとうございました。ぜひ、商店街の事業者、今回、店舗は対象外となっているという声を聞いておりますので、そちらの対策も緊急融資等、緊急対策で行っていただければと思います。
最後に、能登半島地震の被災者の受入れについて、2問質問させていただきます。
今回、東京都が能登半島地震の被災者受入れを発表していて、100戸程度あるということで発表しておりますが、本区でも、もう被災者を受け入れられておりますでしょうか、伺います。
◯被災者支援担当課長 能登半島地震の被災者の受入れに関する御質問でございます。
避難されている方の御意向がありまして、詳細を公表、お伝えすることができませんが、区内にあります都営住宅に若干名の方が避難をされている状況でございます。区では東京都の福祉局、それから住宅政策本部と情報共有をしまして、そういった方々に対します支援、福祉部門とか、あるいは保健所、こういったところを中心に準備をしているところでございます。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。ちょっとプライバシーの件もあるということで、これ以上質問いたしませんが、東日本大震災のときの受入れの事例もありますし、今回、当面6か月で1年限定ということを発表しておりまして、なかなか被災者が東京に来て、慣れない中で生活を再建していくのは非常に難しいかと思いますので、東日本大震災のときの受入れの教訓も基にして、ぜひ、被災者に寄り添った支援を行っていただければと思います。
最後になりますが、これは逆なんですけども、逆の立場で、区で被害があった際に、区民を区外で長期間受け入れてくれる自治体、災害時相互対応協定とか、カウンターパートとなる自治体はありますでしょうか。今の現状を伺います。
◯防災課長 現状では、自治体との協定、複数ございますけれども、区民の受入れをイメージしたというものはございません。
◯高野はやと委員 ありがとうございます。規模からして、江東区って非常に小さいというか、そこに人口が物すごく密集しているので、先ほども、前回の質問で、区の庁舎の代替施設とかもありましたが、大体、震度7ぐらいが来たら、もう江東区全体が被災しているということで、どこにも移動するというか、逃げ場がないということで、敷衍すると、東京都も一極集中するということで、そういったリスクもあると思いますが、ぜひ、カウンターパートとなる相互協定もできる限り進めていただきたい、都と連携して進めていただきたいと考えております。
それでは、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。