就職氷河期世代で派遣社員として働く区民の声

砂町に住む1983年生まれの氷河期世代で就職先がなく、派遣会社にお勤めの男性の方、高野事務所へのお電話ありがとうございました。日々変わる勤務先の倉庫でスキルのつかない単純作業を延々とやる毎日。スキマバイトアプリで来た40代後半の男性は段ボールを朝から晩まで分解する作業だけをしており、将来に不安を感じているというご相談でした。

フォークリフトの免許も取得していたが、週5日の勤務をする自信がまだなく、派遣やバイトを掛け持ちをしているとのこと。30分間でさまざまな悩みを一気にお話してくださいましたが、同世代ということもありお気持ち理解致しました。

初めてお話しますが、実は都議選に落選後、ジャカルタで知り合ったオーナーに誘っていただき、渋谷にある派遣会社の役員をしておりました。着任の挨拶で、神奈川、埼玉、千葉、東京都内の100か所以上の取引先の倉庫、冷凍冷蔵倉庫、物流センターを回りました。また、登録者との面接や、派遣先での勤務状況を見たり、無断欠勤が続く方のおうちにも伺い、さまざまなお話を伺いました。中には、突然父親を亡くし働けなくなった方もいました。紹介予定派遣のルートではなく、派遣社員から契約社員や正社員になる人もいましたが、多くが20代の若者で、40代以上の人は求められていないこともわかりました。

ありとあらゆる派遣社員のルポや体験談を読みました。スキマバイトアプリを運営する会社と面談し、業務提携を致しました。もちろん人材派遣や人材紹介業の責任者となるのに必要な講習も受講いたしました。解決策となりうる海外の事例も勉強しました。日本では法律により難しいですが、PEOという企業の従業員を共同雇用し無期雇用にしていくというビジネスで起業することさえ考えていました。

3ヶ月という短い期間でしたが、業界の構造と問題を理解するには十分すぎる時間でした。当時ともに働いた仲間たちもこの投稿を見ているとのことで、具体例は控えますが、就職氷河期の問題と相まって、非正規雇用と格差の問題は非常に深刻です。この問題は他の問題にも波及します。賃金やスキルの問題、年齢の問題から結婚や出産から孤独孤立、犯罪の問題まであります。

資本主義の中では、これから売り手市場になるから大丈夫とか、賃金は上がってきているとか、発展途上国に比べれば恵まれているなどの言説がありますが、私は根本的には、派遣という制度の職種を制限するか、なくすかの対策が必要であると考えております。またパート労働も多種多様ですが、正規化する道がないと厳しいです。働き方の多様化は、単純非正規労働を促進することではありません。

氷河期世代で、高校や大学卒業後から、何度も何度も企業から断われるとどんどん自信がなくなり、相手や環境のせいにするようになります。多くの人がその傾向を示しますが、気持ちは十分にわかります。日本だけの問題ではありませんが、日本でも深刻です。お電話を頂いた方には、フォークリフトの求人が多いことなどミクロのキャリアアップについてもお伝えしましたが、マクロの視点では最低賃金のアップに加え、法改正によって、すべての人に居場所と出番がある社会を実現していくことをお伝えいたしました。さまざまなスーパーや駅に立っておりますので、高野はやとを見かけましたらいつでもお声がけください。

高野はやと@江東区