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東京都のごみ問題。新江東清掃工場で工場長から伺った5つの課題

江東区は夢の島にある日本最大の清掃工場である新江東清掃工場を区議団で見学。可燃ゴミの焼却破砕処理、不燃ゴミ、粗大ゴミの処理などを行う。2000年から東京都の清掃事業は東京23区へ移管されている。見学中に、工場長から伺った課題や東京都、国に求めるものを5つ列挙いたします。

1.新江東清掃工場は建設から26年が経ち、老朽化している。工場内の至る所で老朽化の影響が出ているが、職員が応急処置をしていて建て替えが必要だと感じている。だが、耐用年数をあと10年延ばすために、劣化した機器の交換や壁の補修などの延命化工事をしている。東京都や国とも交渉して建て替えを要望したい。

2.ゴミ収集車が1日1,500台ほど来るが、多くを外部に委託している。粗大ゴミの分別や分別した可燃ゴミの運搬も外部委託。委託会社は運搬したゴミの量で料金が決まる方式。物価や人件費の上昇、2024年問題により委託先が減ってしまう可能性もある。人材不足により処理施設の稼働率減少の可能性あり。

3.最終処分場の問題。江東区の下にある最終処分場もいつかは満杯になる。東京都は、最終処分場が満杯になった後の新規処分場を東京23区自身で探すよう実質丸投げ。現実的に、東京23区内にもはや候補となる場所はない。2040年代に深刻になるせまりくる問題。

4.最終処分場での埋立処分量を削減し延命させるためにも3R(Reduce,Reuse,Recycle)が大事だと言われているが、清掃工場でも焼却した灰をセメントの原料にして、地方の自治体にお金を払い輸送コストも負担して利用してもらっている。がしかし、昨今セメントの需要も減っている。

5.粗大ゴミが増えている。安価な家具屋が増えたことにより引き取り手のいない家具は容易に捨てられる。また東京都は転出入が激しいため一気に捨てられる。1人当たりが出す可燃不可燃のゴミが減っても人口増により増える。また、小型電池をゴミと一緒に捨てて火災発生。燃えるゴミに金属などを入れると焼却炉が故障する。焼却炉が止まるのに加え、修理には大事な税金が使われる。1人ひとりが分別をしっかりすることが大事。

清掃工事の職員の皆さま、企画してくださった区議の皆さま、ありがとうございました。大変参考になりました。