【演説要約全文】1400万都民の心揺さぶる蓮舫渾身の演説‐本物の行財政改革【東京都知事選挙】

東京都知事候補の蓮舫です。これほど多くの方に会いに来ていただいた。このことだけでも心から御礼を申し上げます。私は、この都知事選がはじまってから、国会で一緒に戦ってきた多く仲間から応援を頂いてます。今、泉代表は気を使ったのかもしれませんが、全員が演説で言うのが、「蓮舫さんはそんなに怖くない」です。もう言わなくていいです。もう私も認めようと思ってる。

でも、みなさんに知っていただきたいことが1つある。私がキツく見える時。その時、私が対峙している人がいったい誰なのか。その視線を向けているのは、すべて時の権力者です。内閣総理大臣です。問題を犯した大臣、問題を犯した自民党。この姿勢を、私は今でも誇りに思っています。

だってそうでしょ?国民には納税をしろ。きびしくきびしく納税を求めておいて、自分たちは脱税疑惑じゃないですか。裏金問題。これを岸田総理に問うて、岸田さんにその言い訳を聞いて「ああよくわかりました。今度から気をつけてくださいね」なんて言えるのは、間違った議員じゃないですか。私は、これまでもこれからも間違いに対しては、きびしい姿勢でいく。でも、これからは東京都民1400万人を包み込む笑顔の東京都知事になりたいと思っています。よろしくお願いいたします。

地元の議員で私の仲間である鈴木烈都議と立川の商店街を歩いて伺った言葉。「都心がうらやましい。都心には多くのインバウンド、訪日外国人が来て潤っている。消費が伸びてる。店の売上も良いだろう。でも、立川は、多摩は、交通の便が悪いから、インバウンドによる恩恵が薄いんです」と。私はもったいない話だと思いました。古き良き美しさを残す、この多摩地域。創意工夫で新しさを生み出しているこの多摩の魅力を、もっともっと国内外の皆さまに知っていただくためにはどうしたらいいか。今、JRが構想中の羽田空港と多摩を直通特急電車で50分で結ぶ、この事業に、力強くコミットしていくことが必要だと考えます。

この8年間、小池都知事は、都心部、臨海部の開発には力を入れてきました。でも多摩地域はどうでしょうか。

私蓮舫は、これからは東京都のどこにいても等しく均衡ある発展、均衡ある街づくりがもっとも都知事に求められていると考えていますが、いかがでしょうか。

ご高齢の方の移動の自由も支援していきましょう。シルバーパス、使い勝手はいいでしょう。でも、都営地下鉄が通っていない多摩地域ではなかなか恩恵がないのではないでしょうか。だったら、多摩モノレール、あるいは都と県境のバス路線にもシルバーパスの適用拡大をしていくように「スーパーシルバーパス」をつくるというのはいかがでしょうか。

私は細やかなところに気づいて、23区と多摩地域の格差を是正していく。私そういう都知事を目指しています。

<学校給食の完全無償化>
あるいは、学校給食費。すぐ変えましょうよ。だっておかしいでしょ。基礎自治体の財政力によって、子どもたちの給食費の値段が変わる。親御さんの給食費の負担額に格差がある。今すぐできますよ。そんなに予算はかからないでしょう。多摩地域の子どもたちも、23区の子どもたちと同じ給食費無償化。同じ待遇、みんなで同じご飯が食べられる安心を私はつくりだしたいと考えます。

<PFAS汚染の問題>
PFAS汚染の問題も、皆さんの心配に寄り添いたいと思います。小池さん、このPFAS問題に対しては決して迅速な動きではありませんでした。

でも、多摩に住む人たちにとっては切実な問題です。確かに東京都では水質の分析、科学的知見の収集などこうしたことには手をつけてくれたけど、調査はどうなのか。もちろん汚水源になっていると言われる米軍基地との交渉、それは一義的には国が行うものです。であるなら、徹底的に国に求める、国と交渉する。多摩に住む人たちの安心を守る。当たり前のことが言えるような都知事に変えるべきではないでしょうか。

今回の都知事選挙は、自分の人生でもっとも大きな決断だった。でも、ずっと私を東京選出の参議院議員として選び続けてくれた都民のために、どうしてもやりたいことがある。5月27日にはじめて出馬表明の記者会見した時に、「小池都政をリセット」この言葉だけを切り取って、「蓮舫は全部をなしにする」と、ずいぶんと無責任なコメンテーターに言われた。そんなことあるわけないじゃないですか。

行政は継続性が大事でしょ。美濃部さんの時から、石原さんの時から、舛添さんから、猪瀬さんから、小池さんから、脈々と守り、続いてきた行政を大切にするのは当たり前じゃないですか。

災害対策。皆さんの命を守る。そのためのハード面の整備はもちろん続けます。ソフト面の整備で、アップグレードした方がよいものはどんどん足していきましょう。東京都が1つも持っていないトイレトレーラーは、ぜひ買いましょうよ。避難所内のプライバシーを守る個室テントも備蓄しましょうよ。1つ1つ丁寧に点検して、厚くしていく。当たり前の行政のトップの姿です。

警察、消防と皆さんの安全を守ります。

経済も、もっともっと発展させましょうよ。国際都市東京、もっと力強く、スポーツ、文化、芸術、もっと東京はよくなる。

<本物の行財政改革>
当たり前の行政の継続性は、私蓮舫は守っていきます。その上でリセットしたいこと。行政改革をやりたいんです。私蓮舫の専門分野です。これは任せていただきたい。

小池都知事も、8年間でがんばってくれました。それまで見えなかった事業に、いくらの予算がついて、改革をしてどのくらいの予算が削減されたか、これをインターネットで見える化した。でもそこまでなんです。どこがこの事業をいくらで受注をして、どんな契約形態で、実施率はどうか、不用額はどうか、この詳細な予算の流れは公開されていないところが多い。

たとえば、どういうことか。今話題の東京都庁のプロジェクションマッピング。この効果には、議論があります。私は実施主体のあり方が、どうも改善の余地があるんじゃないかと思っている。実施主体が、実行委員会という方式になっている。このプロジェクションマッピングは東京都が直接執行しているのではないんです。

では、実行委員会とはなんだろうか。これは企画の段階から東京都と民間企業とNPOや市民団体が一緒になってつくっていく。公共性のあるイベントを最初から最後まで、行政だけで実施した場合は、残念な結果で終わる時がある。だから、官民がアイディアを出し合って、それぞれの専門性を活かして、よりよいものをつくっていくという実行委員会方式はメリットも多いんです。

ただ、プロジェクションマッピングの実行委員会のメンバーは、東京都、それと都庁がある新宿区、そして東京観光財団。ここから人が出て、たった3人で実行員会をつくっている。

このことについて、実は都議会で議員が質問をした。「この実行委員会は、なぜこのような構成になっているのか。どのような契約なのか。どのような内容なのか」そうすると都の職員はこう答えました。「実行委員会は、都と別組織なのでお答えできません」と。では「せめて入札情報とか、都民税を使っているのだから、契約方式の情報公開をしてほしい」と訊いた。都の職員は答えました。「都と別組織なのでお答えできません」答弁拒否ですよ。なぜか。調べてみると驚いた。実行委員会はどこにあるのか。都庁の担当部局でした。電話番号はどこか。その担当部局の電話でした。

予算は100%東京都が負担をしている。おかしいなと思って調べると、プロジェクションマッピング事業を、この実行委員会から受注をしたのが、なんと大手広告代理店のグループ企業です。

この大手広告代理店は、東京オリンピック談合事件で、東京都から入札指名拒否を受けている。でも、グループ会社に4つの事業全部が発注されている。調べたら、この実行委員会メンバーである東京観光財団。その理事の1人には、この大手広告代理店の幹部が名を連ねている。この財団に出資、お金を出しているのも、この大手広告代理店です。

つまり、大手広告代理店とほぼ一体となった財団からグループ企業に、プロジェクションマッピングが、なんと特命随意契約、競争入社ではなくその企業を指名して仕事が発注されている。

これは平等ですか。公平ですか。透明ですか。私はここは「ブラックボックス」だと指摘をさせていただきたい。

事務所が東京都庁にあって、電話番号も東京都庁にあって、100%東京都が負担。だったら、迂回なんてしないで直接東京都が執行すればいいじゃないですか。こういう中抜き構造、国はやっと少なくしてきたのに、まだまだ東京に根付いているとしたら、まだまだ検証、精査できる部分あると私は確信は確信しています。

ちなみに、プロジェクションマッピングの予算は2年間で、関連事業予算も含めて48億円。私は、たとえば、東京で3人の子どもを頑張って育てている住民非課税世帯など低所得世帯の方の負担を軽減していきたい。試算では月2万円の家賃の補助をしたら、1年間にかかる予算はちょうど48億円。同じ額なんです。

小池さんは、光に光を当てるのが上手い。でも、東京に広がる格差。広がる光と影。私蓮舫は影がなくなるので、生活に苦しむ人たちが自分の力で歩けるようになるまで、この影に光を与え続ける都知事になることを皆さまにお約束をさせて頂きます。

どうか力をくれませんか。

勝たせてくれませんか。

私に仕事をさせてくれませんか。

改めて立川駅で立ち止まってくださった皆さんに蓮舫からのお願いです。

都知事にさせてください。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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立川駅前での演説。SNSの投稿でも、演説を動画で見た友人や元同僚からも”神演説”、”過去最高”、”多摩地域のことも本当にちゃんと考えてくれている”などの反響があったため早速公開いたします。天気もよく、音響もよく、場所も良かったこともあり、蓮舫の演説を目や耳にした人々が吸い込まれるように演説場所に寄ってきてしまう現象が生じ、会場は押し合いになり、大混雑してしまい申し訳ございませんでした。大変ご迷惑をおかけしましたが、熱気とシャッター音が、今でも脳裏と耳に残っています。私一人がお配りしたチラシの枚数もわずか45分で500枚ほど。本物の行財政改革を、ぜひ1つ1つの事業を蓮舫都知事と共に行っていくという気持ちでお読みいただければと思います。