【演説要約全文】初めて明かされる蓮舫の原体験‐これが本物の少子化対策【東京都知事選挙】

東京都知事候補の蓮舫です。会いに来ました。会いに来てくれてありがとうございます。さて、7月になりました。あと5日間、あと5日間しか皆さんに直接お話することはできません。だから今日、共有しているこの時間、皆さんが私の想いを受け止めてくれるのなら、ぜひ東京都知事にしていただきたい。まずはそのことをお願いしたいと思います。

さて、円安が止まりません。1ドル161円。国政でなんとかしてもらわなければいけない問題です。アベノミクスのマイナスの影響の代償を、国民が払わなければいけない。でも、もっともっと豊かになれる。東京の経済政策はもちろん私がやらせていただく。そして、もっと早くやるべきは少子化対策。

とうとう東京都の合計特殊出生率が1を切りました。人口を維持するには2.07ないといけない。1を切るということは、人口流入がなければ、東京の人口は、半分になります。それは消費者が減る、労働者が減る、経済のパイが小さくなる。

だったら、ここをなんとかしなければいけないんじゃないか。でも20年間、国政にいて思うんです。自由民主党の発想は、私たちと大きく違う。子どもが減った。合計特殊出生率が低くなった。そうすると、結婚させる政策をつくるんです。「なんとか結婚してもらおう、そしたら子どもが生まれるだろう」ずっと同じ発想。国は、今何をやっているか。地方自治体が、婚活パーティーをやる、出会いの場をつくる、合コンイベントをやる、そこに皆さんの税金を地方創生だといって補助金で流す。東京都も同じなんです。小池さんはやっぱり自民党の発想の人だと思いました。今年度の東京都、皆さんの税金を使って何をやるか。婚活アプリですよ、婚活アプリを開発する。あるいは、合コンイベントを企画する。果ては、皆さんの結婚の思い出の曲を広く募って漫画にしてお届けをするという、これが少子化対策、子育て支援でしょうか。私はまったく考え方が違います。

そもそもこの東京では、結婚するという決断をした人、結婚しないで1人で生きるという決断をした人、大好きなパートナーと暮らすという判断をした人、選択的夫婦別姓が実現するまで男女カップルで婚姻届けは出さないんだという判断をした人、1人で子どもを育てるという決断をした人。いろんな生き方があっていい、多様な生き方があっていい、その人たちの生き方を全部肯定して等しく支援するのが、私蓮舫は東京都のトップの姿勢でなければいけないと考えています。

<蓮舫の原体験>
結婚だけを重点化するんじゃないんだ。みんなが幸せになる。それが大前提。その上で、私が20年間、少子化対策にもっとも力を入れてきたことには、原点がある。双子の子どもを育ててきました。もっとも後悔していること。幼稚園生ぐらいになると、子どもって靴紐結べるようになりますよね。マジックテープじゃイヤなんだ。靴紐結ぶんだ。でも朝は忙しい。双子の2人がもたもたもたもた靴紐を結んでいる。たった3分が待てなくて怒ってしまった。数年しか生きていない子どもに、30年生きた親が、たった3分も待てない。なんであんなこと言っちゃったんだろう。今でも後悔している。子育てって、そういう精神的な余裕を大丈夫なんだよ、それぐらいの余裕持っていいんだよ、そういう支援が必要だと私は思いました。

あるいは、双子を産んだ後に、ドキュメンタリー番組のリポーターをして、社会的課題を取材していたことがあります。シングルマザーに密着しました。5歳と2歳のお子さんがいる。食べていけない、暮らしていけない。トラックの免許を持って、長距離区間を走る。朝一番に出て、深夜に帰ってくる。保育所が開いている平日はまだいいけど、保育所が休みの週末。子どもに食べ物と飲み物を置いて、窓を開けるな、火を使うな、外に出るなと言って、鍵をかけて出かける。深夜に帰ってくる時にいつも思うんです。あの子たちは生きてるだろうか。

私は産めよ、増やせよが少子化対策なんじゃない。こういう子育てをしている人たちの不安、孤独に寄り添うことこそが、本当の意味での共に生きる政治なんだと思った。そして今、そういう東京都をつくりたいんだと思う。それが私の原点なんだとまずは皆さんにお伝えさせて頂きます。

なんで子どもがあまり産まれなくなったんだろう。いろんな手当を、国もようやく本気になって、東京都もいろんなメニューを用意している。子育て支援のメニューは引き続き継続するけれども、そろそろアプローチを変えるべきじゃないだろうか。家計への直接支援だけでは響かない。じゃあどうするか。私は若い人たちを支援することにアプローチしていきたい。若い人たち、負担と不安が広がって何かをあきらめてませんか。大学を出て不安定雇用。安定雇用になかなかいけない。数年後の自分の未来が描けない。この子どもの背中を見ることが親にとってどれだけ辛いことか。格差が広がりました。親が豊かであれば、豊かな教育を受けられる。でもそうじゃない子どもは全部自己負担。大学等を出て、社会に出るときに、若い人が抱える奨学金という借金は、1人310万円です。有利子であれば、不安定雇用がいったいいつ返せるのかわからない。40代後半になってようやく返せた。でもその間に金がないから、結婚をあきらめた。金がないから子どもをあきらめた。こんな国は、未来がないと思う。だから若い人たちを徹底的に支援して、その手取りを増やすことを東京都からはじめていきたいと考えています。

例えば、子どもたちの育ちである保育、こどもたちの学びである教育、皆さんの命である医療、シニアの安心である介護。この分野で働いてくださる若い人、この分野で働きたいと思う若い人、その人たちの奨学金の返済を東京都が支援するというのはどうでしょうか。それで手取りが増えるんじゃないですか。負担が減るんじゃないですか。そのために、私は今回の選挙で問いたい。ぜひ奨学金の返済のために、皆さんが納めた税金をぜひ使わせていただけないでしょうか。若い人を元気にしましょうよ。何かをあきらめないで済むような若い人を東京都からつくりましょう。私蓮舫はそれをやりたい。

ここ江戸川区は他にも、家計の負担、子どもを持つことが負担になる。そういう特殊な事情がある。国民健康保険が江戸川区は日本で一番高いんです。国民健康保険料は、子どもも保険料を払う。ここの中学生の1年間の最大の保険料は69,000円です。子どもがいればいるほど、家計の負担、家計を直撃する。今、国では、市区町村で保険料を決めるのではなく、将来的に都道府県単位で保険料を決めることの検討もはじまった。こういう検討も含めて、子どものいる家庭、こどもを持ちたい、持ちたいけど経済的理由で持てない、いろいろな理由を、私蓮舫は都知事になって迅速に敏感になって検討を進めて、皆さんにいろいろご提案をしていきたいと思っています。

この江戸川区といえば、葛西臨海公園。子どもが小さい時によく来ました。触れる。東京都の海の生き物ヒトデを、子どもたちがはじめて触ったのもここだった。たくさんのペンギン、かわいいねと笑った子どもたちの後ろ姿がかわいかった。でも、その水族館が建て替えられる。建て替えられる上に、自然との共存と言いながら、600本の木が切られる。それは自然との共存ですか。小池さん何をやろうとしてるんだ。神宮外苑も再開発をする。このことについて、問うたら、小池さんは私に言いました。「神宮内苑は原生林、神宮外苑は人工林だ」。2つの意味で間違ってる。神宮内苑も人工林です。100年前、明治天皇をお祀りするために日本中から10万本の献木が捧げられ、勤労奉仕で森をつくった。そこを原生林というその感覚。それで規制を緩和したのか。そして、人工林なら切っていいのですか。100年という先人が守った森。私はここに200m級の高層ビルを建てる?しかも莫大な建設費は、高層ビルを建てた後、フロアを貸す売るなどでそれで賄うことができる。豊かな人のためだけに、皆さんの財産を、憩いの場所を、私は取り払っていいのだろうかと思う。

晴海フラッグ。皆さんの財産である公有地を安く売る。オリンピックの選手村として利用した後、都民の住宅の支援になるのかと思ったら、投機対象となりました。今や、ある部屋は元値の2倍。金が金を生む。いったい小池さんは、皆さんの財産をどうしようとしているのか。東京都がこれから見せなければいけない姿勢は、かつてのバブルの失敗を繰り返すことではなくて、自然と共存する新しい成長のあり方を、皆さんと共に創っていくことだと私蓮舫は考えています。

人に自然に優しい都知事に私はなれる自信がある。さっき若い人たちを支援すると言いました。そうすると「なんで若者だけ支援するの?」と言われるんです。違うんです。だって、若者が介護の現場で働いて、負担が減って手取りが増えて転職しないで済む、定着するようになったらどうなりますか。50代、60代の人たちが、介護離職をしないで、自分のお父さんお母さん、80代90代のご高齢のシニアを安心して預けることができるんじゃないですか。若者を支援すれば、働いている現役世代、介護が必要なシニアの人をしっかりと支える、循環型の東京都を創っていきませんか。

残念ながら国は方向性がまったく逆なんです。若者を介護の現場で定着させる。そういうことも考えてない。あるいは、この春から訪問介護、定期巡回サービス、夜間対応型訪問介護、この基本報酬が引き下げられました。つまり収入が減るんです。ただでさえ訪問介護事務所大変なんですよ。ヘルパーがいない、人手不足だ。ヘルパーさんの有効求人倍率は15を超えています。人がいない。去年、訪問介護事務所は残念ながら過去最高の倒産件数となっています。これがまた、報酬を下げられたら、大手はともかく中小零細、皆さんや皆さんのご両親が頼っている中小零細の事業所が倒れたらどうなりますか。生活するためのさまざまなサービスをもらって、あるいは通院して、ひとりでがんばって家で暮らしている。その人たちが頑張れなくなるんじゃないですか。

だったら私はここの部分でも若い人に入ってもらって、ヘルパーさんになってもらったら、東京都独自でもっともっと家賃補助や給料を上げるための独自の支援策を分厚くしていくことがとても大事だと思っています。ぜひやらしてください。私蓮舫にはそれができると思っています。

この30年間。失われた日本と言われて、まだ出口が見えない。この30年間で、日本人口の1人当たりのGDP成長率は、なんとアメリカの半分になってしまった。でも、働いている人だけのGDP成長率を見るとアメリカとほぼ一緒なんです。日本の働いている人たちの生産性は非常に優秀。そこには力があるんです。だったら、もっともっと東京から成長させるにはどうしたらいいか。生産性を上げる。DXに頼りましょうよ。すでにそこに技術があるんだったら、DXに頼って、今働いている人たちの生産性をもっと高める。女性が非正規で働いている。正社員になりたいというんだったら、正社員で入っていただいたら、それがまた経済を刺激する。人生の先輩方が例えば今、リタイアして再雇用になる時に、年収が2分の1、3分の1になってしまうというあり方ではなくて、ちゃんと能力を報酬で評価してくれるような労働環境に改善すれば、そうしたらまた働く人のパイも増えて、東京はもっと成長することができる。その成長の果実は、私蓮舫に躊躇なく若者に注いでいきたいと考えているんです。そうすれば、またシニアの安心にもつながる循環型の東京都、私蓮舫はそれができると思っている。

小池さんは、光に光を当てるのは得意です。東京都庁のプロジェクションマッピング。2年間で関連予算が48億円。この48億円はどういうお金なんだろうかと調べたら、3人以上こどもがおられる住民税非課税世帯に、仮に月2万円の家賃補助をすれば、1年間でかかる予算はちょうど48億円。私は皆さんが納めてくれた税金を、光に光を当てる政策に使うのではなく、広がる影、長く伸びる影、自分でどうしようもできない影に光を当てて、その影が薄くなって、1人で立って歩いていけるようになるまで、そこまで細やかに光を当て続ける。そういう都知事になることを皆さんにお約束させていただきたいと思います。

あと5日だけになりました。現職は強い。大きい。8年間の経験。いろいろな企業や団体とのつながりがあるでしょう。でも私は絶対に負けたくない。これまでの8年間。点検をして、まだまだ改めることがいっぱいある。まだまだ皆さんの予算から引き出せるところがいっぱいあると思うから、ぜひ蓮舫に皆さんの力を、7月7日に蓮舫を東京都知事にしていただけないでしょうか。そこからがスタートです。私蓮舫に仕事をさせてください。

都知事のための都政ではなく、都民のための都政をはじめる7月7日にしたいと考えています。

どうかどうかよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。
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蓮舫候補が西葛西での街頭ではじめて語った少子化対策にもっとも力を注いできた理由。蓮舫の原点。ちなみに江戸川区の葛西臨海公園で、20年ほど前、5歳の双子を育てていた蓮舫とはじめて会いました。当時から変わらず、若者政策や子育て支援に力を入れており、私たち大学生の話を親身に聴いてアドバイスをしてくれました。その後、私は、ベンチャーで大阪、名古屋、福岡などの地方創生から、インドネシア、シンガポール駐在、スタートアップでインバウンド事業などの経験をして参りましたが、蓮舫はどの分野でもやはり人の話を聴く力かつ的確な質問をする力があり、すぐに勉強してキャッチアップします。次会う時には、もう既に詳しくなっているというのが印象です。未知の分野をすぐ既知の分野にできる人。東京都政は初挑戦ですが、瞬時に理解しどんどん問題点や成長できる分野を把握するでしょう。7月7日に都知事になったら、すぐにミッション開始です。蓮舫都知事とつくる東京都政が楽しみで楽しみで仕方がありません。