今日の人々を魅了してやまない多様性あるニューヨークがあるのは、彼女がいたから。一部の富裕層のための”上から目線”の再開発に反対し、住民目線のまちづくりを発想。「都市は、豊かではない人も土地を持ってない人もあらゆるすべての人を受け入れる」スラム街や貧困層を街から”排除”することに対し、戦う。
「再開発に反対するのは、いつも主婦だろ」「奴らは専門家ではない。ただの一般人だ」などと吐き捨てるところは、1950年代の公民権運動やジェンダー平等、LGBTQ運動以前の白人男性優位社会に対する権利獲得の運動にもつながる。時は高度経済成長期。目先の成長や効率化より、ほんとうに大事なものがわかる。無機質でつまらない廃墟からニューヨークを守った。
都市の図面をただ書くのではなく、街を歩き、人の動きや住民コミュニティを観察し、住民1人ひとりの声、聴くことの大事さがわかる。街に暮らす人の視点を持つことこそが、都市計画ひいては都市の政治には大事。なぜか?都市は常に変化する。だから魅力がある。それをつくるのは都市に住む人である。無機質な高層ビルではない。
「街はいろんな人がいるからこそ、いろんな形のいろんな時代の建物があり、路地があって、人々が有機的に動いているからこそ、多様性があり安全で、楽しいのよ。あんたは街を殺す気?」
スラムクリアランス計画やワシントン公園を分断する高速道路計画などの住民運動を通して、政治を動かす。
ニューヨークを訪れたのは4年前。コロナを経てもう変化しているだろう。今年はパリ。来年はNYC。また行こう。東京都のことを考えるにはちょうど良いタイミング。
『ジェイン•ジェイコブス-ニューヨーク都市計画革命』都市に住むすべての人へ。ぜひ観てください。