2021年7月に挑戦した東京都議会議員選挙。挑戦までに1年ほど時間があった。2020年2月から世界中に広がったコロナで日本社会も激変する中で、どのように初めての選挙を進めてゆけば良いか考えた。私高野が選んだことが、まずは知名度を上げることだった。「認知度を上げる前に、知名度を上げる」それがやはり広告マンとしては正しい選択であると考えた。まずは、ポスターを貼る、駅に立つ。スーパーに立つ。江東区で、立憲民主党は私高野はやとだけなので、政党と名前を覚えてももらうことに人モノ金時間などの資源をまずは集中させた。政策や中身はその次、そして江東区という限られたエリアでの勝負となるため、ネット広告の定石として、ネットでの選挙も最小限にし、とにかく「書を捨て街に出る」ことにした。
一に知名度、二に知名度。主要な政策は「コロナ対策」。ワクチン接種がはじまる遥か前のことである。コロナ対策に集中することにした。そして東南アジアの駐在時の森林伐採や川の汚染、ゴミの山で作業する子どもたちを見て環境問題に関心を持ったことから、地方政治に必要な「防災」を次の政策とした。また私が湾岸エリアに住んでいることやインバウンド事業を行っていること、インドネシアでイスラム教(賭博禁止)、そしてオーストラリアやシンガポールでも実際に訪れて経験したことから江東区青海地区で建設が候補に上がっていた「IR・カジノ」について反対することを3つ目の柱にした。カジノは利用者の負けを前提にしていること。所得の移転が行われるため、周辺の消費が減ってしまうこと、また湾岸エリアの住環境、治安が悪化するといった懸念からである。その後、育児中の方、高齢者のお話をお伺いし孤独孤立対策、中小零細企業への支援などが加わった。
政治活動、そして選挙。緊急事態宣言が連発され、街に人がそもそもいないこと、街頭に立つこと自体が住民から「不要不急」と思われたこと、訪問すると嫌がられることなど予想外のことが重なった。またテレワークや外出自粛でネットから候補者に関する情報を得ている人が急増していることなど対応できずに終わったことも多くあった。今思えば、初めて挑戦は、私の完全なる「力不足」に終わった。
今回の江東区議会選挙に向けて、初めて江東区について深く広く知る時間を得た。街頭では、名前や政党名の連呼などはおこなわず、江東区政について演説している。毎日違う内容について話すことしているので、少なからずインプットもしなければならない。遅ればせながら、江東区政についてやっとわかってきた。私は北海道で育ち、17歳で政治を志し、大学で政治の勉強をした。その時に誕生、2003年に躍進した政党が民主党だった。その後、私の中で、人生を通して成し遂げたいことが固まってきた。「戦争、差別、貧困をなくす」「地球を持続可能に」主に考えてきたことは世界について、国政に関することだった。地方政治の詳細については勉強も考えも非常に浅かった。もっと言ってしまうと、政党間での明確な対立軸も国政と違い、見出せずにいた。むしろ二元代表制においてはないものではないかと考えていた。
「令和5年度の予算案」を読む。今までとは全く違うものに感じる。詳細まで読むと、現区長、第一会派、もっといってしまうと自民党がどこをより重視しているか、誰のための政治をしているのかがわかる。東京都政では、小池都政のそれがわかる。それは決して悪いと言っているのでない。納得できる政策も多い。しかし自分の考え、志とは違うと感じる。自分ならもっと良くできると感じる。
街に出て演説し、人の話を聞き、勉強する。時にお叱りを受け、時に切実なお話に胸を痛める。それを繰り返すと、自分が何を大事にし、誰を救おうとしているのか、明確にわかってきた。
そして、自治体の予算案は、経営者として培ったPL、BS、CFなどの企業の決算書を読むことに比べれば、実はたいして複雑ではない。単年度予算はPLだけであり、歳出の内訳を詳細に調べればよい。「江東区公報」も読む。ただ総合的に江東区の財政について理解するなら、(財政調整)基金や長期計画を理解するために、PL以外のBSやCFの知識も必要になる。また、江東区は特別区であり、普通の地方公共団体ではない(都区制度)。東京都との二重構造もあり、江東区単体で考えてはならないといった観点からも東京都政に対する理解も当然求められる。
今週から令和5年度の予算案についてお話しつつ、私高野はやとの政策(「子育て•教育」「福祉•介護」「環境•防災」「行政」)を志と共にしっかりお伝えして参りたい。名前の連呼も、政党名の連呼も、プロフィールの連呼もしない。誰のための政治を行うか、なぜそうしたいのか、そのために限られた予算をどう使うべきか、そしてどういった未来を描くかをしっかりとお伝えしたい。政策チラシを初めて街でお配りするが、それを目的にしない。配るのは、目配り、気配り、心配り。区民の皆様が4年に一度、江東区政に対し意思表示できる大事な機会。最後の最後まで、自分の考えだけをお伝えすることに終始せず、しっかりとご意見、ご要望を伺って参りたい。
高野はやと@江東区