差別される人の存在を政治が見過ごす限り、この街もこの国も良くならない

この度、企画総務委員会の副委員長に就任いたしました。酒井なつみ前区議の後任として、その名に恥じぬよう公正かつ中立な議会運営を心掛けて参りたいと思います。議員の皆さま、理事者の皆さま、そして区民の皆さまよろしくお願い申し上げます。そう思い委員会に臨んだものの、決して看過できない、耳を疑う発言が自民党の議員からまたしてもなされました。

学校給食費の無償化を新たに朝鮮学校に通うこどもたちにも適用するよう求める陳情の審査中に、その発言は起こりました。「北朝鮮との間には拉致問題がある。北朝鮮は犯罪国家だ。誘拐犯の子どもを支援するのは反対だ」このような趣旨の発言です。後方の傍聴席からも悲鳴に似たような声が聞こえました。

朝鮮学校に通う生徒は、朝鮮籍の子どもだけではありません。韓国籍、日本籍の子どもたちも通っています。韓国籍のこどもたちの方が多いです。朝鮮籍のこどもであっても、こどもは親を選ぶことはできませんし、国籍を選ぶこともできません。

朝鮮学校への学校給食の無償化に関する議論以前の、完全な事実誤認です。そして、思い込みによる差別発言です。一昨年に、パートナーシップ制度が「少子化につながると危惧する」と全く根拠のない発言を一般質問で行い、大問題になったのにまったく反省していません。言論の自由が保障されているからなのか、長老議員だからなのか、それとも同じことを思っているからなのか、委員長も隣に座る同会派の幹事長も誰も注意しません。そもそも議会での、事実誤認による差別発言にも言論の自由があるのだろうか。そうであるなら、言ったもん勝ちになるではないか。議会はどう対応すべきなのか。  

江東区にはインドから来た方も増えておりますが、現在、実に129か国の国籍を持つ外国人が住んでおります。今なお戦争をしている国や貧困で生活していけない国から来たこどももいる。人権が保障されない国から来たこどももいる。また、歴史的な理由で日本国籍を喪失した人々もいる。こどもの権利条例では、日本人だけでなくすべてのこどもの権利を尊重します。

かつて、日本が集団移住により、ハワイやアメリカ、南米へ渡り、多くの苦難を乗り越え、当地の人々の優しさや親切心にもふれながら、その地に根付いた事実があります。横浜、広島、周防大島などさまざまな場所の移民資料館で見た当時の光景が思い出されます。  

国があるから、人がいるのではありません。人がいるから国があるのです。国のために人が尽くすのではありません。人のために国が尽くすのです。  

委員会のたびに何度も何度も差別発言、問題発言を繰り返す自民党の議員。自民党だから取り上げているわけではありません。ですが、何度も差別発言を繰り返す姿勢から、自民党には自浄作用がないのだろうか。あなたのこどもが、この発言を聴いたらどう思うだろうか。  

発言はすべて議事録として公開されます。江東区民の皆さまに判断していただくしかありません。

すべての江東区民の皆さまが議事録を見ていただき、判断して頂きたい。新しい時代の江東区を創る。ひとにやさしい江東区。すべてのひとにやさしいまちだから、人口が増えるし、企業も元気になり、経済も活性化し成長するのです。差別される人がいる限り、差別される人の存在を政治が見過ごす限り、江東区は良くなりません。

新しい時代の江東区を創る。対話と共感の政治を広げてゆく。このスタンスに変わりはありません。

高野はやと@江東区

https://note.com/takano_hayato38/n/ncb5013dac7e7